萬狂言・夏公演・祭三昧の印象
26日、国立能楽堂で萬狂言を観る。萬(よろず)狂言とは野村万蔵家が主催している狂言の会で全国各地で開催されていて東京では季節ごと春・夏・秋・冬の年4回定期的に開催されている。今回は夏公演で「祭三昧」として祭りに関係ある狂言を3曲・それに小舞・素囃子などが行われる。
まずは万蔵氏が解説という事で今日演じられる狂言・小舞について説明。今日演じられる見物左衛門と煎物はめずらしいものであまり演じられないもので煎物に関しては25年ぶり(万蔵家では)にやるという事。見物左衛門は和泉流三宅派のみに伝わるもので深草祭と花見の2種類があり全く別のものという話しとこの見物右衛門は加賀前田家10代重教(しげみち)の命により24曲つくったうちの1曲とゆう話あり。
千鳥:この狂言はここ数年で何度か観ている狂言。この千鳥は結構他の家とは違っているのかなとは思う。まぁそれが大蔵流と和泉流の違いなのか万蔵家だけが違うのかは分かりませんが・・・最初の酒を求める理由が万蔵家では神事の祭り酒。大蔵流(山本・茂山)では今日客が来るので酒が必要。と初めの方から少し違っていて・・・酒を入れる桶を持っていく、持っていかない。酒の代金の変わりに米を・・・というストーリーがあったりなかったり。太郎冠者と酒屋が初めて交わす言葉の内容。酒代がない時ばかりつけのきくこの酒屋に来ていて酒代があるときは他の酒屋に行って買っているというくだりがあったりなかったり、この他にも多数あり私がわかるだけでもかなりある。大きなストーリーは同じだが違う印象を受ける狂言なのかなという気がする。私個人としては大蔵流の方が笑いが多く好きですね。この狂言に関しては。
見物左衛門・深草祭:この狂言は独り狂言で登場するのが1人のみの狂言。現在独り狂言で演じられているのは三曲で他が東西迷(とちはぐれ)と独り松茸だけだと思う(他にあったらすいません)この2曲はいずれも復曲狂言となると江戸時代から続いてきたのはこの見物左衛門のみということになるのかな。なかなかこの曲がつくられたときの時代の考え方があるのでしょうか?落馬して怪我をした人を大声で笑ったり・・・見物左衛門自体がすごく迷惑な人と考えればよいのでしょうか?最後のオチもよくわからなかったですね。
煎物:この狂言を万蔵家がやられるのが25年ぶりとの事。私は十数年前に茂山家のを観た記憶があり千三郎氏が側転で幕に入っていくのを観たという記憶が残ってます。十数年前に観た狂言が私の記憶に残っているというのはもうその時点ですごい狂言だと思う。面白い狂言だと思います。囃子と稽古の声と煎じ売りの声が重なり煎じ売りの声が聞き取りづらい場面は何回かあったがこれはこれでしょうがないんでしょうね。もっと回数をやってほしい狂言ですが・・・囃子方がいなければ中々できない狂言で大局でもないのでやる機会というのが少ないんでしょうね。最後のオチが鍋八撥と同じだと思うが鍋八撥の場合最後鍋が割れなかった時のオチが別に用意されているという話を聞いた事があるのだがこちらでも焙烙が割れなかった時のオチは用意されているのだろうか?ちょっと気になったので・・・
全体で2時間45分ぐらいでしたが短く感じましたね。外は暑かったが良い時間を過ごしました。
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